查看更多>>摘要:リハビリテーションという言葉が医学的に使用され始めたのは,約100年前の第一次世界大戦のころである.多くの戦傷者の社会復帰が大きな課題となり,米国の陸軍病院に physical reconstruction and rehabilitationというdivisionが設けられたのが最初の事例であるとされている.そして,1949年,米国において専門領域として American board of physical medicine and rehabilitationが確立され,重要な診療科となった.日本にリハビリテーションという概念が導入されたのは1950年代で,1963年に日本リハビリテーション医学会が設立された.日本ではphysical medicineとrehabilitation medicineの両者を合わせてリハビリテーション医学として総括された.2017年から日本リハビリテーション医学会では,リハビリテーション医学について新しい定義をあげている.ヒトの営みの基本である「活動」に着目し,「人々の活動を育む医学」がリハビリテーション医学であるとしている.リハビリテーション医学という科学的裏付けのもとにリハビリテーション医療がある.リハビリテーション診療はリハビリテーション医療の中核であり,診断?治療?支援の3つのポイントがある.活動の予後を予測するのがリハビリテーション診断である.そして,その活動を最良にするのがリハビリテーション治療である.さらに,環境調整や社会資源の利用などの支援を行っていくのがリハビリテーション支援である.リハビリテーション医療では,医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,義肢装具士,歯科医,看護師,薬剤師,管理栄養士,公認心理師/臨床心理士,社会福祉士/医療ソーシャルワーカー,介護支援専門員/ケアマネジャー,介護福祉士などがチームを形成しているのが特徴である.耳鼻咽喉科領域のリハビリテーション診療についても,リハビリテーション医学の新しい定義である「活動を育む」という視点で整理することが望まれる.