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期刊信息/Journal information
日本耳鼻咽喉科学会会報.
日本耳鼻咽喉科学会,
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0030-6622

日本耳鼻咽喉科学会会報./Journal 日本耳鼻咽喉科学会会報.
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    最新のアレルギー性鼻炎治療:—ガイドライン改訂と抗ヒスタミン薬による治療戦略一

    後藤穰
    5页
    查看更多>>摘要:鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版(改訂第9版)が2020年7月に改訂された.今回の改訂では2019年に実施されたアレルギー性鼻炎有病率調査結果が掲載されたこと,病態メカニズムに自然II型リンパ球の関与が明記されたこと,重症?最重症スギ花粉症に対して抗IgE抗体療法が推奨されたことなどが新しい改訂ポイントである.アレルギー性鼻炎?花粉症の治療の原則は,抗原除去?回避,薬物療法,アレルゲン免疫療法,手術療法の4つがある.近年,薬物療法薬では複数の非鎮静性第2世代抗ヒスタミン薬が新しく上市された.鎮静作用がほとんどなく,安全性が高い薬剤が選択できるようになった.舌下免疫療法ではスギ舌下錠が市販され舌下液よりも高い有効性を示し,スギ舌下錠とダニ舌下錠の併用も安全性の高い治療法であることが臨床研究で確かめられた.低年齢のスギ花粉症有病率が増加しているが,根治的治療であるアレルゲン免疫療法を小児期から積極的に開始することも考慮すべきである.また2019年12月にはアレルギー性鼻炎領域では,世界初の生物学的製剤が重症以上のスギ花粉症に対して適応追加された.抗ヒスタミン薬などの薬物療法や舌下免疫療法は軽症から最重症までの患者に推奨されているが,抗IgE抗体療法は重症以上のスギ花粉症に対してのみ使用できる.患者の病型や重症度に応じて適切に治療方法を選択すべきである.

    日本におけるリハビリテーション医学?医療の現況ー耳鼻咽喉科領域での意義を含めてー

    久保俊一
    6页
    查看更多>>摘要:リハビリテーションという言葉が医学的に使用され始めたのは,約100年前の第一次世界大戦のころである.多くの戦傷者の社会復帰が大きな課題となり,米国の陸軍病院に physical reconstruction and rehabilitationというdivisionが設けられたのが最初の事例であるとされている.そして,1949年,米国において専門領域として American board of physical medicine and rehabilitationが確立され,重要な診療科となった.日本にリハビリテーションという概念が導入されたのは1950年代で,1963年に日本リハビリテーション医学会が設立された.日本ではphysical medicineとrehabilitation medicineの両者を合わせてリハビリテーション医学として総括された.2017年から日本リハビリテーション医学会では,リハビリテーション医学について新しい定義をあげている.ヒトの営みの基本である「活動」に着目し,「人々の活動を育む医学」がリハビリテーション医学であるとしている.リハビリテーション医学という科学的裏付けのもとにリハビリテーション医療がある.リハビリテーション診療はリハビリテーション医療の中核であり,診断?治療?支援の3つのポイントがある.活動の予後を予測するのがリハビリテーション診断である.そして,その活動を最良にするのがリハビリテーション治療である.さらに,環境調整や社会資源の利用などの支援を行っていくのがリハビリテーション支援である.リハビリテーション医療では,医師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,義肢装具士,歯科医,看護師,薬剤師,管理栄養士,公認心理師/臨床心理士,社会福祉士/医療ソーシャルワーカー,介護支援専門員/ケアマネジャー,介護福祉士などがチームを形成しているのが特徴である.耳鼻咽喉科領域のリハビリテーション診療についても,リハビリテーション医学の新しい定義である「活動を育む」という視点で整理することが望まれる.

    顔面神経麻痺に対するリハビリテーションの進め方ーエビデンス?保険診療の概要診療チームについてー

    森嶋直人
    5页
    查看更多>>摘要:末梢性顔面神経麻痺は一般的に予後良好な疾患であるが,全体の2割程度にBell麻痺の重症例やHunt症候群などの予後不良例が存在する.顔面神経麻痺に対するリハビリテーションは後遺症である麻痺の改善や,病的共同運動?拘縮の予防と軽減という点で推奨されている.実際のリハビリテーションは,重症度と予後予測目的にて柳原法麻痺スコア評価と発症後10日程度でElectroneurography (以下ENoG)検査を行い,以後理学療法士が麻痺の改善と病的共同運動予防目的のリハビリテーション指導を行う.3カ月以内に柳原法麻痺スコア38点以上の場合は終了し,遷延する場合は病的共同運動評価と治療を継続する.病的共同運動に対するリハビリテーションの手技として1)表情筋ストレッチ,2)拮抗筋活動による病的共同運動発現予防,3)バイオフィードバック療法による病的共同運動抑制があり,主に家庭内プログラムとして患者本人に実施を励行する.後遺症改善には長期を要する場合がありこの場合は発症後1年以上を必要とする場合がある.後遺症残存例にはボツリヌス毒素治療や形成外科的治療が選択される.このように長期にわたる顔面神経麻痺に対する診療チームの構成としては診断?初期治療を担当する耳鼻神経科医,リハビリテーションを担当するリハビリテーション医?リハビリテーション療法士,心理的なサポートを行う看護師?臨床心理士,形成外科手術による再建に携わる形成外科医がある.本稿では顔面神経麻痺に対するリハビリテーションの進め方,そのエビデンス,診療チームの役割,保険診療上の注意点について概説する.

    耳科手術に必要な画像の読影

    山本典生
    9页
    查看更多>>摘要:耳科手術を遅滞なく安全に行うために,正確な解剖知識に基づき,術前に画像を用いて解剖や病態の把握を行っておくことが必要である.耳科手術前に検討する主要な画像モダリティはコンピューター断層撮影(CT)画像である.また,CT上の軟部組織陰影の鑑別には核磁気共鳴画像(MRI)が有用である.CT画像では,常に観察する構造を定め,それらをすべて観察するようにする.乳突蜂巣や鼓室の蜂巣構造の発育や含気と軟部組織陰影の有無,耳小骨の形状と連鎖,位置周囲の構造との関係,顔面神経の走行と顔面神経管の骨の状態を確認する.中頭蓋窩や後頭蓋窩に関しては骨欠損,乳突腔に向かっての突出,流入?流出する血管の有無を確認する.外耳道上壁と中頭蓋窩との距離によっては外耳道後壁削除型乳突削開を選択せざるを得ない場合も生じる.内耳に関しては,蝸牛,半規管,前庭水管の奇形の有無と,瘻孔の有無を見ておく必要がある.S状静脈洞,頸静脈球,内頸静脈孔については,走行,周囲の骨の欠損の有無の確認が必要であるが,頸静脈球については中鼓室に及ぶ高位頸静脈球でなくても,蝸牛や内耳道との位置関係を把握しておくことは安全な手術の施行に重要である.後鼓室開放を行う場合は,外耳道と顔面神経との距離や顔面神経窩部分の蜂巣の有無,外耳道の後壁の傾きを,中耳真珠腫やそのほかの腫瘍性疾患においてはその進展範囲と解剖学的構造物との関係を把握する.人工聴覚器手術や広範囲の側頭骨削開を行う場合は,骨髄や導出静脈の有無やその位置を予め確認すれば無用な出血を避けることができる.MRIでは,3D-T2画像に加えて,疾患によっては拡散強調画像も検討する.中耳真珠腫などの腫瘍の性状の把握のほかに,内耳内の石灰化や線維化の有無や内耳道内の神経の状態を把握することにより,適切な手術の準備が可能となる.

    スギ花粉症とダニの舌下免疫療法ー自験例に基づく治療方針と工夫一

    湯田厚司
    6页
    查看更多>>摘要:スギ花粉とダニの舌下免疫療法は,アレルギー性鼻炎治療の重要な治療として定着しつつある.筆者は1,800例を超えるSLITの治療実績があり,自験例に基づく治療方針や工夫を紹介する.小児のスギ花粉症は急増しており,最近の疫学調査から10歳未満の3人に約1人が10年以内にスギ花粉症を発症すると推測される.2018年にスギ花粉とダニの舌下免疫療法が低年齢児にも治療できるようになった.小児は成人と同じ用法用量で治療すればよく,成人と同等の高い有効性があり,安全性も成人と変わらない.SLIT治療年数とともに効果の上乗せがあり,治療終了後の効果持続を期待し,4年間程度の継続治療を勧めている.副反応は,投与アレルゲンが増えると増え,副反応で一時的減量が必要な例もあるが,適切な時期に再増量を計画する.スギ花粉は全例が最大維持量にでき,ダ二も適切な対処で最大維持量にできる.アドヒアランスが重要であるが,患者の治療意欲を保つ工夫も必要である.多重アレルゲン感作の例が多いが,感作が多くても同じ効果を期待できる.特にスギ花粉とダニの重複感作が多いので,両方のアレルゲンで治療するDual SLITも安全にでき,今後の治療例も増えるだろう.COVID-19による患者受診抑制の中,舌下免疫療法患者は影響を受けにくいので,経営面も含めた大きな治療戦略となるだろう.

    頸部郭清術における副損傷の予防と対応

    鈴木幹男平川仁
    8页
    查看更多>>摘要:頭頸部がんは初診時にリンパ節転移が見られることが多く,頸部リンパ節転移の制御は予後を左右する重要な要因である.臓器温存や機能温存を目的に頭頸部がん治療に化学放射線治療が広く用いられるようになってきたが,頸部リンパ節転移の基本治療は頸部郭清術であり,頭頸部外科医には副損傷に配慮した頸部郭清術の施術が求められている.頸部郭清のリンパ節転移の解析にて原発巣によって好発転移部位が異なることが明らかになってきたことから,疾患病態に応じた郭清範囲を選択し,術後機能障害を減じることができるようになってきた.本稿では,まず頸部郭清の考え方,術前準備,近年広く用いられるようになった選択的頸部郭清術(肩甲上郭清術,側頸部郭清術)の基本術式について自験例を中心に示した.次に頸部郭清術における副損傷として,神経損傷(副神経,頸神経,顔面神経下顎縁枝,横隔神経),リンパ管損傷(乳び瘻),血管損傷についてその対策を概説した.神経損傷では,神経活動モニタリング,リハビリテーションの有用性について,リンパ管損傷では生じた際の取り扱い,血管損傷ではその予防について強調した.

    乳幼児急性中耳炎の現状と対応 重症度の変化による対応

    工藤典代
    5页
    查看更多>>摘要:小児急性中耳炎の診療は,すべての急性中耳炎に同じ治療を行うのではなく,初診時に重症度分類を行い,重症度に応じた治療を行うことが推奨されている.わが国では小児急性中耳炎診療ガイドラインが2006年に初版となり,重症度に基づいた治療アルゴリズムが呈示された.重症度は年齢条件(2歳未満かどうか),臨床症状として耳痛?発熱?啼泣/不機嫌の3小項目,鼓膜所見として鼓膜発赤,鼓膜膨隆,耳漏の有無と量の3小項目からスコアシートに従いスコアの合計点で軽症?中等症?重症の3つに分ける.この中で鼓膜異常所見は重要度が高く,スコアの点数も高く設定されている.軽症の第1段階は抗菌薬非投与で3日間経過観察を行う.改善ない場合にはアモキシシリン(AMPC)常用量を投与する.中等症,重症時の第1選択薬はアモキシシリン(AMPC)高用量である.抗菌薬の投与は3~5日間とし,改善がなければ第2段階の治療を行う.鼓膜異常所見が高度であれば鼓膜切開を行うが,2018年版からは「鼓膜切開が可能な環境では」と注記がつけられている.また,新薬とされるテビペネムピボキシル(TBPM-PI),トスフロキサシン(TFLX)は重症の第2段階以降に位置付けられている.AMR (薬剤耐性)対策アクションプランが2016年に公表されたが,急性中耳炎の抗菌薬治療は「適切な抗菌薬を,必要な場合に限り,適切な量と期間」投与するという姿勢は,2006年初版時より一貫しており,AMR対策アクションプランに沿ったものとなっている.抗菌薬スイッチの際には細菌の抗菌薬感受性結果が重要であり,抗菌薬投与時に細菌検査を行う.抗菌薬治療では,ピボキシル基を持った抗菌薬の投与により低カルニチン血症が生じることに留意する.

    成人のインフルエンザウィルス特異的鼻腔分泌型IgA抗体価と血清IgG抗体価の保有状況とワクチン接種による影響

    藤本知佐楊河宏章澤淵貴子木戸博...
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    查看更多>>摘要:インフルエンザウィルスに対するヒトの粘膜免疫と全身免疫を検討した.155名の健常成人を対象に,鼻腔分泌液中のインフルエンザウィルス特異的IgA抗体と血液中のインフルエンザウィルス特異的IgG抗体の抗体価を測定したところ,鼻腔の抗体保有率は約70%で,血液中の抗体保有率はほぼ100%だった.インフルエンザワクチンが鼻腔および血液中の抗体価に及ぼす影響を調査するため,初回の検体採取直後にワクチン接種し,その1カ月後に改めて検体採取して抗体価の変動を調査したところ,インフルエンザワクチン接種1カ月後に鼻腔のインフルエンザウィルス特異的IgA抗体価は上昇せず,血液中のインフルエンザウィルス特異的IgG抗体価は上昇した.サブグループ解析では,血液中の抗体価が低い場合に抗体価は上昇し,高い場合は上昇せず,頭打ち現象が見られた.インフルエンザワクチンは血液中のIgG抗体価を上昇させ重症化を防ぐー方,鼻腔の分泌型IgA抗体を上昇させないため感染を防御する効果が乏しいと考えられた.また以前報告したインフルエンザ感染患者の鼻腔?血液中の抗体価と本研究の結果を比較検討したところ,健常成人の保有する抗体価は鼻腔?血液中とも低い値から高い値まで幅広く分布していたのに対し,感染患者の保有する鼻腔?血液中の抗体価は低かった.鼻腔に保有する抗体価が低い例では高い例に比べ感染のリスクが高まる可能性がある.

    持続性知覚性姿勢誘発めまい(Persistent Postural-Perceptual Dizziness : PPPD)に対する抗うつ薬の効果について

    森田由香北澤明子山岸達矢大島伸介...
    7页
    查看更多>>摘要:持続性知覚性姿勢誘発めまい(Persistent Postural-Perceptual Dizziness : PPPD)は,2018年に改訂されたWHOの国際疾病分類(ICD-11)に新規収載された慢性めまいを呈する疾患である.その前年にBarany Societyによって診断基準が発表された.抗うつ薬を用いた薬物療法,前庭リハビリテーション,認知行動療法が三大治療とされている.本研究では,PPPD 90例を対象に,抗うつ薬の治療効果を検討した.使用した薬剤は,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI),セロトニン?ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI),ノルアドレ ナリン作動性?特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSA)である.抗うつ薬投与によりめまいによる日常生活の支障度(Dizziness Handicap Inventory, DHI)の改善を認め,薬物療法がPPPDのめまい症状に有効であることが示された.何らかの理由で薬物療法を行わなかった群では,約1年の観察期間において初診時と比較しめまい症状の改善はなく,PPPDに対する治療介入の必要性が示唆された.抗うつ薬の有用性が示された一方で,いずれの薬剤も高率に副作用を認め,副作用出現率の上昇とともに治療継続率が低下したことから,副作用のコントロールが治療効果をあげる上で重要と考えられた.

    救急救命科に搬送された急性期めまい224例の検討初期研修医への質問紙調査

    假谷伸浦口健介小桜謙一前田幸英...
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    查看更多>>摘要:めまいは救急受診の原因で頻度の高い主訴であるが,めまいの中には致死的な疾患や重篤な後遺症を残す疾患が存在し初期対応には注意を要する.今回,当院で救急救命科へ搬送され入院した急性期めまい症例について検討した.また,その集計結果を用いて初期研修医に急性期めまい診療についてのフィードバックを行い,急性期めまい診療について質問紙調査を行った.救急搬送された急性期めまい症例224例を対象とした.入院症例については患者背景?随伴症状?診断名について検討した.これらの集計結果を初期研修医に提示するとともに,初期研修医への急性期めまい診療講義を行い,その前後に質問紙調査を行った.めまい搬送症例は224例であり,93例(41.5%)が入院を要した.入院症例のうち末梢性めまいが38例,中枢性めまいが29例,15例がそのほかの全身疾患,原因不明が11例だった.中枢性めまいのうち脳血管障害は18例あり,15例が椎骨脳底動脈系血管障害(小脳梗塞8例,脳幹梗塞4例,小脳出血3例)であった.42人の初期研修医への質問紙調査では,急性期めまい診療に興味はあるが十分な理解ができていないことが示された.めまい診療においては鑑別疾患や診断方法などが重要と考え,本検討内容を救急救命医や初期研修医ヘフィードバックをすることで,今後の急性期めまい診療についての情報共有を行うことができた.