查看更多>>摘要:緩和医療は極めて重要である。外科医は現時点ではこれを担う立場になることが多いので,立ち居振る舞いと 症状緩和の基本的な知識は身につける必要がある。しかし,個々の外科医が多くのものを背負いすぎないよう,緩和医療もチーム医療に上手に落とし込んだ体制 の構築が必要である。本誌「臨床外科」の内容は消化器の分野が中心であ り,扱う疾患には悪性腫瘍が多いのが実情である。現 在の考え方では,癌が診断された瞬間から緩和ケアが 必要となる。残念なことに筆者には,緩和医療の意 味を取り違えるとともに適切な「医師の働き方」から も大きく逸脱した診療体制で苦しんだ過去があり,外 科医として成長する過程で緩和医療について良いイ メージをもつことができなかった。しかし,年齢を重 ねた現在,こうした恩讐を超えて,緩和医療は患者さ んにとって極めて重要なものであると理解しているっ もりである。