查看更多>>摘要:94歳,男性?脳梗塞の既往があり抗血栓薬を内服していた.口腔内に多発するびらんが あり,2019年11月に当科を受診した.抗デスモグレイン3抗体が陽性で,尋常性天疱瘡を疑 い,連携大学病院へ紹介した.病理組織所見と併せて尋常性天疱瘡と診断され,ステロイド, 免疫抑制剤,免疫グロブリン大量療法で治療し,症状が軽快したため,2020年3月に当院へ転 院した.転院後に抗体価の再上昇と陰茎部のびらんの拡大?新生があり,ステロイドを増量 し,免疫グロブリン大量療法を施行するも改善なく,血漿交換療法を開始した.単純血漿交換 療法と選択的血漿交換療法を併用し,抗体価は低下,大きな有害事象はなく臨床所見は改善し た.選択的血漿交換療法は凝固因子を保持でき,新鮮凍結血漿を用いないため,アレルギー反 応や感染症等の副作用が少ない.自験例のように出血傾向のある患者では,凝固因子を保持で きる選択的血漿交換療法は有効な治療であると考えた.