查看更多>>摘要:要旨 癌治療が目覚ましい進歩を遂げているなかで,手術療法が可能な食道癌患者の5年生存率は現在においても59.3%にとどまっている。近年,進行?再発の食道癌に対する新たな治療として,抗PD-1抗体が使用されるようになった。しかし,その奏効率は19.3%と期待されていたほどは高くはなく,さらなる効果増強方法の開発が望まれている。本研究では,抗PD-1療法の治療効果を増強させる方法として,局所放射線治療を併用する複合がん免疫療法の可能性について検討した。その結果,食道扁平上皮癌症例では化学放射線療法により約40%の症例で腫瘍抗原特異的細胞傷害性T細胞が誘導されていたが,約80%の症例で腫瘍細胞上にPD-L1の発現を認めた。すなわち誘導された腫瘍抗原特異的細胞傷害性T細胞は,腫瘍局所でPD-1経路を介して免疫抑制を受けている可能性がある。そのような腫瘍微小環境では,抗PD-1療法の併用が有効であると考えられる。さらなる検討は必要であるが,抗PD-1療法と局所放射線治療を併用する複合がん免疫療法は食道扁平上皮癌症例において有望な治療戦略と期待される。