查看更多>>摘要:京大の平山恭介助教と九大の戸田裕之教授の研究グループは,高輝度光科学研究センター(JASRI)の竹内の晃久·上椙真之同主幹研究員と共同で,Spring-8において,非破壊で次世代自動車用鋼板TRIP鋼の相変態挙動を直接可視化できるX線ナノトモグラフィー技術と結晶方位や転位密度を測定可能なペンシルビーム回折トモグラフィーを組み合わせたマルチモーダル解析技術を開発した.外部負荷中の鋼材のその場観察に適用し,個々のオーステナイト粒の相変態,変形,回転挙動を3次元的に明瞭に観察することできた.今回の3Dでの解析では,粗大な残留オーステナイト(初期サイズが2.5μm以上)は高い安定性を有しており,微細な残留オーステナイト(初期サイズが2.5μm未満)と比較して2倍以上の外部負荷を加えないと完全に変化しないことが明らかになった.これは,大きな残留オーステナイトから複数のマルテンサイトへと相変態することに起因していると考えられ,相変態の初期とそれ以降では,その機描が異なることも証明された.局所的な相変態現象に直接計測の光が当たれば,衝撃吸収特性や破壊特性の真の理解が得られ,その最適化のためのミクロ紺織設計も可能になる.