查看更多>>摘要:東日本大震災(2011年3月11日)以降.熊本地震(2016 年4月),北海道胆振東部地震(2018年9月)と立て続 けに大きな地震が起きた。またここ数年だけをみても. 2020年7月には豪雨が日本列島を襲い,球磨川や飛_ 川などが氾濫し,その前年(2019年10月)にも台風19 号により,千曲川や阿武隈川など,全国各地で河川が氾 濫した。さらに西日本豪雨(2018年)’九州北部豪雨(2017 年)と.毎年のように台風や豪雨による水害が発生し. 多くの尊い命が失われた。最近10年の学会誌の内容を振り返ってみると,やは り災害に関連した論文や記事が多かった点が.その特徴 として挙げられる。筆者は.19期に大震災復興特別委 員会(20期より常置委員会の災害対応委員会に)の委 員長を務めたが,特別委員会の任務の一つが.学会誌に 掲載された災害関連の論文や記事を編集委員会と共同で まとめて冊子にする仕事である。その「合本版」とし て,現在,2011-2013年度版(129篇収録)と2014-2018 年度版(89篇収録)の2つが出ており,これらにまと められた論文,報告,特集論考.シンポジウム報告など の総数は200篇以上にものぼる。被災地における支援活 動に考察を加えた速報的なものや,概念を整理したり理 念を述べたりした総説的なもの,そして本格的な学術論 文などである。ちなみに筆者が委員長のときにまとめた 「合本版(201冬2018年度)」の内訳は,論文,報告20篇. 特集論考など43篇.シンポ,活動報告18篇.土のこえ 6篇,キーワード紹介2篇であり,多くを占めるのは, 会員が実際に被災地に赴き,農村計画学の専門家として 復興支援の活動を行い,そこで得られた知見を記したも のである。これらは.大災害に遭った地域の様々な課題 に対して,農村計画学会の多くの会員が被災者に寄り添 って格闘した結果なのである。