查看更多>>摘要:過去50年間に日本の水田で栽培された水 稲の累積面積は,粳米1,021品種で9,919万ha,糯 米219品種で455万haであった。その大部分は, 少数の育種組織が育成し普及させた少数の品種で 占められた。これらの品種の普及面積が大きいの は,特定地域で長年にわたって栽培されたことに よる。農林水産省はかって2005年までの毎年,都道府 県で栽培された水稲品種の面積情報を「米穀の品 種別作付状況」としてとりまとめて関係者に冊子 体で提供し,また近年にはインターネットで電子 体でも一般に公表してきた。1956年-2005年の50 年間に,粳米1,021品種と糯米219品種が栽培され た。これらの品種は育種予算からみて,道府県独 自の事業(以下,道府県名で表す),農林水産省 が特定の道県に委託した指定試験事業(〇〇指定 と表す)と同省の地域農業試験場(〇〇農試と表 す)によって育成されたものと,「その他」(在来 品種と企業、 団体、 個人の育成品種)に分けられ る。前3者は組織育成品種であり,品種の面積情 報に育種事業、 組織を加えて整理すると,粳米で も糯米でも,50年間の普及面積の飛びぬけて大き な組織がいくつかあり,さらに,各組織が育成し 普及させた主な品種から,栽培年数や普及地域に 組織の特徴をみることができる。