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日本生态学会志
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0021-5007

日本生态学会志/Journal 日本生态学会志
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    自由集会「外来種の定着プロセス-森林、河川、湖沼、草原に侵入した 外来種の侵略性と多様性」企画趣旨

    前迫ゆり
    3页
    查看更多>>摘要:本特集は日本生態学会2020年大会で企画した自由集会「外来種の定着プロセス-森林、河川、湖沼、草原に侵 入した外来種の侵略性と多様性」のプログラムをもとに企画したものである。さまざまな植生夕イプに侵入、定着、拡 散している外来種の生態的特性、拡散要因、種多様性への影響、保全.管理の課題などについて話題提供し、今後の生 態系および生物多様性保全について議論することをめざした。日本では1993年に施行された「生物多様性条約」(https:// www.wwf.or.jp/activities/ basicinfo/3516.html、2020 年10 月1日確認)以降、外来生物の侵入は生物多様性を脅かす主要なリスクとして認識されている。2005年の「外来生 物、/去」(https://www.env.go.jp/nature/intro/llaw/law.html、 2020年10月1日確認)では特定外来生物の取り扱い規 制が施行され、2015年には「我が国の生態系等に被害を 及ぼす恐れのある外来種リスト(略称:生態系防止外来 種リスト)」(https://www.env.go.jp/press/100775.htmK 2020 年10月1日確認)、2016年には生態系被害外来種リスト(https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/files/gairai oanf a4.pdf、2020年10月1日確認)がそれぞれ公表されるなど、この20年間に生物多様性と外来種に関する国際的な枠組 みや政策形成が進められるとともに、外来植物の侵略性、 保全生態学的管理および戦略的管理について議論されて きた(村中ほか2005 ;菊池ほか2006 ;村中.鷲谷2006 :鷲谷2007 ;江川2019ほか)。しかし、外来種が侵入した生態系において生物多様性を維持しうる生態系保全に成 功した事例はきわめて少なく、外来種が侵入する要因は 増大し、生態系の外来種リスクはむしろ高まっている。

    照葉樹林に侵入した外来木本種の拡散にニホンジ力が与える影響

    前迫ゆり
    8页
    查看更多>>摘要:本稿では,照葉樹林に侵入した外来種として、国内外来種ナギ施Nageia nagi (Thunb.) Kuntzeと国外外来種ナンキ ンハゼTriadica sebifera (L.) Smallの拡散と定着について述べる。春日山原始林に隣接する御蓋山の天然記念物ナギ林から拡散したナギは照葉樹林に侵入し、シカが採食しないことから、数百年かけて拡散し、イチイガシQuercus giiva Blume林の一部はナギ林に置き換わった。ニホンジカCVrvws subspp.の採食環境下において、耐陰性の高い常緑針葉樹ナギ林から照葉樹林に戻る可能性はきわめて低いことから、この植生変化はシカの影響による森林の不可逆的変 化ともいえる。一方、1920年代に奈良公園に植栽されたナンキンハゼは奈良公園一帯および春日山原始林のギヤップに広域的に拡散し、ナンキンハゼ群落を形成している。照葉樹林における空間分布の調査から、生態的特性が異なる外来木本種2種の拡散を定量的に把握した。シカの不嗜好植物でもある外来木本種の群落形成にはシカが大きく関与していると考えられた。過密度シカ個体群が生息する照葉樹林の保全管理についても議論する。

    河畔植生における構成種の階層別被度を活用した在来植物群落(コゴメヤナ ギ高木林)から外来植物群落(ニセアカシア高木林)への推移過程の解析

    島野光司後藤智史小林岡
    13页
    查看更多>>摘要:植生調査による各種の被度の情報から、河畔植生における在来種のコゴメヤナギから外来種であるニセアカシア が優占する群落への遷移過程を、TWINSPANを用いて明らかにすることを試みた。高木林を対象とした一般的な群落 区分では、各種の上層(高木層、亜高木層)、低木層、草本層における被度の最も大きな値を用いて群落タイプごとの 種組成を表すことが多いが、そのような方法では、高木層で優占しうる樹木種の高木層以外での分布関係が把握できな い。そこで、各種の高木層、亜高木層、低木層、草本層のそれぞれの被度の値を用い、上層-下層における分布構造の 情報を生かした手順で解析を行った。TWINSPANで階層ごとの被度デ一夕を活用して解析を行った結果、河畔で優占 するコゴメヤナギ高木林の下層では外来種のニセア力シアが生育するが、ニセアカシア高木林の下層ではコゴメヤナギ の実生や低木が生育しないことが明らかになった。この結果から、大規模な河川水による撹乱がなければ、在来種のコ ゴメヤナギから外来種のニセアカシアが優占する高木林に推移していくことが示唆された。本研究のような階層ごとの 被度情報を活用した解析手順は、外来種が侵入した森林の更新や遷移過程を理解する上で、毎木調査による樹高や幹の 直径などの情報が無いときでも有効であると考えられる。

    外来植物の草原生態系への影響と植生管理

    大窪久美子
    7页
    查看更多>>摘要:本稿では人為的な圧力下で成立してきた草原、特に半自然草原や畦畔草地を中心に取り上げ、主には本州中部で 代表的な草原景観を有する長野県中部の霧ヶ峰での外来植物の侵入,定着の影響と植生管理の課題について述べる。霧 ヶ峰では、観光道路が建設された1970年代にへラバヒメジョオンやメマツョイグサ等の外来植物が侵入,定着した。 その後50年近く経過した現在も、これらの種の優占が継続し、群落の組成や構造を変化させ、偏向遷移が生じている ことが指摘されている。このような草原を再生するためにニッコウザサの刈り取り管理が行われていたが、草原性植物 の競合種であるササを減少させる効果はあるものの、一方では外来植物の侵入.定着についても対応しなければならな いことがわかってきた。さらに、20年ほど前に侵入,定着したと考えられる特定外来生物のオオハンゴンソウが特に自 然性の高い高層湿原近傍や特定の地域で優占している。このような地域では霧ヶ峰の草原の保全と適正な利用を目的と した県協議会等による本種の駆除事業が実施されているが、分布の拡大もみられている。また、外来植物は草原生態系 における植物とチョウ類との関係性にも影響があることが上伊那地方の水田地域での研究で示されている。草原生態系 への外来植物の影響は不明な点が多く、今後のさらなる研究の進展が望まれる。

    琵琶湖における特定外来生物ウスゲオオバナミズキンバイの 侵入,繁茂について

    稗田真也
    5页
    查看更多>>摘要:琵琶湖では、特定外来生物に指定されている侵略的外来水生植物オオバナミズキンバイの亜種ウスゲオオバナミ ズキンバイの繁茂が問題視され、駆除や調査活動が展開されてきた。特定外来生物に指定されていると同時に、在来近 縁種などとの誤同定のリスクが伴う種であるため、誤認されたまま園芸利用,栽培される恐れがある。本種は茎や葉か らの再生が可能であるため、駆除時にも植物体断片の取り残しや拡散に注意が必要である。さらに結実も見られるため、 侵入地での埋土種子集団の形成や種子散布による拡散に注意が必要である。琵琶湖では、人力駆除、建設機械などを用 いた機械駆除のほか、駆除後の再生と群落回復を防止するための巡回,監視、ジエット水流を用いた駆除そして隣接し て生育する侵略的外来水生植物チクゴスズメ ノヒエを併せた駆除など、用途に応じ種の特性を考慮した対策が見られる。 本亜種のように拡散力の高い侵略的外来種に対しては、侵入した各地で早期防除される体制の構築が求められる。2019 年1月までに14か所で根絶しているイングランドのように、資金の支援や技術的助言そして職員による駆除実施など 柔軟な対応を伴いながら、土地所有者に管理責任を求める制度が有効であると考えられる。

    植食性昆虫を介した外来植物と在来植物の相互作用

    坂田ゆず
    8页
    查看更多>>摘要:外来植物は、瞬く間に分布域を広げ在来植物を駆逐する場合がある一方で、定着してから気づいたら姿を消して いたという場合もある。こうした外来植物の在来生態系でのふるまいの違いを理解,予測する上で、外来植物の自身の 形質に加えて、外来植物と在来植物の間の相互作用のメカニズムの理解が欠かせない。本稿では、外来植物が植食者を 介して在来植物に与える負の影響(見かけの競争)に注目し、これまで研究されてきた事例を幅広く紹介し、後半では この3者間の相互作用が環境要因によってどのように変化しうるかについて議論する。さらに見かけの競争によって、 意図的,非意図的な外来植食者の侵入が逆に在来植物の食害を増加させる事例についてまとめた。また、筆者が外来植 物のセイタカアワダチソウを材料に、原産地と侵入地で見かけの競争の地理的な変異に注目して行っている事例研究を 少し紹介する。最後に、外来植物を取り巻く環境の変化を取り上げて、変動する環境下において、変化していく外来植 物のふるまいへの理解を深める今後の研究の展望を探りたい。

    「外来種の定着プロセス-森林、河川、湖沼、草原に侵入した外来種の 侵略性と多様性」へのコメント

    鷲谷いづみ
    3页
    查看更多>>摘要:生物多様性の危機要因の一つとして、侵略的外来生物 の影響は、地球規模でも地域においても深刻化の一途を 迪っている。外来生物の生態系や生物多様性に及ぼす影 響への社会的な関心が高まりつつあった今世紀初頭、日 本生態学会は「外来種ハンドブック」(日本生態学会2002)を出版し、生態学が蓄積してきた科学的知見をま とめてその普及を図った。その編纂にかかわった研究者 は外来種対策の政策化にも寄与し、2004年には「特定外 来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外 来生物法)」の成立をみた。外来種の侵入は、生物間相互作用を通じて生態系の構 造や機能にさまざまな影響を及ぼす。とくに、植物の侵 略的外来種の侵入は植生を大きく改変し、生態系機能や 生物多様性に大きな影響を与える。本特集は、国外から もたらされる外来植物のみならず、国内の他地域から意 図的,非意図的に導入される国内外来種も対象とし、暖 温帯のg然性の高い森林への木本植物の侵入を含め、陸 域,水域のいくつかのハビタット.植生タイプへの侵入 を扱っている。侵入,定着のプロセスと生態系への影響 を理解する上で重要な、外来植物をめぐる多様な生物間 相互作用および世代時間の短い生物の侵入プロセスにお いて重要な役割を果たす自然選択による適応進化につい ても、データにもとづいて考察が深められている。外来 生物対策の鍵となるモニタリングと排除活動における市 民と連携した研究者の活動も、その先進的な例が報告されており、全体として、植生改変をもたらす外来植物に 関する最新の研究成果を広く概観できる特集となってい る。本特集で報告されている研究は、それぞれの著者ら の綿密で十分な規模のフイ一ルドワークで得られた貴重 なデ一夕にもとづいており、そのことがこの特集をいつそう価値の高いものにしている。

    動物行動学を物理の目で捉え直す

    吉田誠
    2页
    查看更多>>摘要:野外で動物を観察するとき、最初に私たちの目を引く のはかれらの「動き」であろう。動物はエサをとり、敵 から逃れ、子を残すために、日々環境中を動きまわり、 さまざまな活動を行なっている。空中を飛ぶもの、地上 を走るもの、水中を泳ぐものをはじめ、動き方には動物 ごとに特徴がある。固着性で一見、動かないように見え る動物であっても、自身をとりまく空気や水の動き(風、 波、水流など)を考慮すれば、相対的に「動いている」 と捉えることができ、いかに自身の位置を保つか(つまり、 いかに周囲の流体に対して「動く」か)は種によって多 様である。また、同種の個体同士でも動き方には違いが あり、さらに同一の個体でも状況に応じて異なる動きを 見せることも少なくない。すなわち、あらゆる動物の特 徴はその動きに現れ、その動きは種間,種内を問わず実 に多様だと言える。

    生態学としてのバイオメ力ニクス

    菊地デイル万次郎
    8页
    查看更多>>摘要:バイオメカニクスは生物の形態や運動を力学的に分析する学問である。生物の行動は小さな動きの積み重ねであ り、力学的な制約のもとで形成される生物の形態と運動はエネルギー収支を介して適応度にまで影響する。これまでバ イオメカニクスは生物の機構を力学的に探求することで、生物の運動における普遍的な原理や機能の発見を遂げてきた。 一方で、バイオメカニクスは境界領域であるためか、“孤立した学問”になりやすいことが指摘されている。このよう な状況を打破するには、生態学の研究テーマにも取り組むことで、より広範な問いに答えていくことが必要であろう。 近年は、形態や運動の機能と制約のトレードオフ関係を分析することで、進化についても理解を深めようとするアプロ 一チが提唱されている。こうした新しいアプローチに加え、隣接した分野の研究者とも連携していくことでバイオメカ ニクスは生態学の一分野として発展していくだろう。本論では代表的な研究を紹介しながら、バイオメカニクスが生態 学分野にどのように貢献してきたのかを考察する。

    海棲爬虫類、特にウミガメ類に見られる内温性 -体サイズと代謝速度に着目して-

    木下千尋
    9页
    查看更多>>摘要:体内で産生される代謝熱を熱源として体温を環境温度より高く保つ性質を内温性、外部の熱源によって体温が左 右される性質を外温性という。爬虫類は一般的に外部の熱源に依存して体温を調節する外温動物だが、一部の海棲爬虫 類は高い内温性を持ち、環境温度よりもある程度高い体温を保っている。動物の体温は体に出入りする熱エネルギーの 収支によって決まり、体サイズや代謝速度と密接に関わっている。本論では、内温性を持つ海棲爬虫類として、特にウ ミガメ類に焦点を当て、体サイズと代謝速度に着目しながら体温を水温よりも高く保つメカニズムを解説する。さらに、 遺伝的隔離のあるアカウミガメの個体群間で見られた休止代謝速度と体温の違いに注目し、エネルギー面での生態学的 意義を議論する。