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日本土壤肥料学雑誌
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0029-0610

日本土壤肥料学雑誌/Journal 日本土壤肥料学雑誌
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    秋まきコムギ生産性評価を目的とした土壌質指標の試算

    吉村元博岡 紀邦長澤幸一前塚研二...
    15页
    查看更多>>摘要:秋まきコムギ生産性を土壌質の観点から定量的に評価するため,北海道十勝地域の生産者圃場(3か年のベ61 筆)の表層土壌理化学性データを用いて,土壌質指標(soil quality index: SQI)の算出を試みた.まず,北海道が土壌診断基準値を設けている項目から圃場間の変動が大きいものを採用し,次いで0~1のスコアに換算し,加重合計をSQIとした.スコアは基準値から離れるほど減点した.採用された項目は,圃場間変動が大きい順に交換性カルシウム,固相率,交換性カリウム,粗孔隙,熱水可溶性ホウ素であり,特に交換性カルシウムと粗孔隙がSQI低下に与える影響が大きかった.SQIと収量の関係として,5~7月が多雨で低収な2018年のみ有意な正の相関が見られ,低地土(表層が火山灰のものも含む)で特に相関関係は強く,粗孔隙のスコアがSQIに大きく影響した.一方,低地土に比べて有効土層が厚い黒ボク土のSQIと収量の相関関係は弱く,表層に礫混入が多い圃場は高SQIでも低収であった.このことから有効土層全体の評価,礫の考慮,それらの指標化の必要性が示唆された. 本研究では,多雨で低収な年かつ有効土層が薄く表層に礫混入が少ない圃場に限りSQIと収量に関係が認められ,土壌質の改善が収量の年次変動を低減しうることを示した.また,SQIと収量の関係は気象条件,栽培管理状態も考慮する必要があることを示した.

    水稲「ハツシモ岐阜SL」における湿潤土湛水培養による窒素無機化量を加味した適正な施肥窒素量の算出方法

    和田 巽棚橋寿彦
    9页
    查看更多>>摘要:岐阜県平坦部の水稲主要品種「ハツシモ岐阜SL」の安定生産と良好な品質の両立に向けて,土壌からの窒素供給を加味した施肥窒素量(以下,施肥N)の適正化について検討した. 玄米収量および玄米タンパク質含量と成熟期における窒素吸収量との間には一定の関係が認められ,これらの関係から「ハツシモ岐阜SL」における理想的な窒素吸収量を100kgha~(-1)と位置付けた. 水稲作物体への窒素供給量と窒素吸収量との関係を調べ,施肥Nに作土からの窒素供給量(以下,作土 N)を加味することで,施肥Nのみの場合に比べ窒素吸収量との関係性は強まった.特に,湿潤土30°C 10週間湛水培養による窒素無機化量(以下,湿10w)により作土Nを算出し,土地利用形態により水稲連作と田畑輪換に仕分けすることでこれらの関係性はさらに強まった.すなわち,湿10wを窒素供給量に加味することで,施肥および作土由来の窒素供給量から窒素吸収量を精度良く推定できることが示唆された. これに加え,供給窒素の利用率と施肥Nおよび作土N以外の供給窒素を推定式に加味した結果,窒素吸収量の推定精度はさらに向上した.作土Nの利用率と作土Nの算出に用いる作土の仮比重および作土深を係数化し,推定に必要な要素を湿10wの値のみとした推定式と「ハツシモ岐阜SL」の理想的な窒素吸収量から,湿10wを加味した適正な施肥Nの算出方法を構築した.

    モニタリング調査における群馬県の主要品目の土壌理化学性

    鹿沼信行関口量子山田浩之
    5页
    查看更多>>摘要:1979年(昭和54年)から全国的に開始された土壌環境基礎調査(定点調査)は,群馬県おいては450地点について土壌の分布面積に応じて土壌統ごとに調査地点が設定された.その結果については,地目別や土壌群別に全国的に取りまとめられ(中井 . 小原,2003;小原 . 中井,2003),群馬県では猿田や峰岸らによってその概要が報告されている(猿田ら,1990;峰岸ら,1995).その後,土壌機能増進モニタリング調査,農地管理実態調査(炭素事業)として,調査地点数を減じた調査が継続されており,京都議定書などの国連気候変動枠組み条約における温室効果ガス削減の国際交渉や,農地土壌の炭素と肥沃度増進のための施策に活用されている(農林水産省,2020a).現在は1979 年の土壌環境基礎調査(定点調査)開始から40年以上経過したことで調査地点では栽培品目の変更,耕作放棄および宅地化された地点があり,継続の調査地点のみでは県の主要な品目を栽培しているほ場の土壌養分の実態を把握することが難しいと考えられた.以前の定点調査では,5年で県内を1巡し土壌断面調査と耕種概要調査および土壌理化学性の分析を行っていた.現在の農地管理実態調査は,4 年ごとに県内を1巡している.

    緑肥すき込みによる夏植えサトウキビの増収効果

    吉田晃一宮丸直子杉原 創豊田剛己...
    7页
    查看更多>>摘要:サトウキビ(Saccharum officinarum L.)は沖縄県の基幹作物であり,県農業産出額(耕種部門)に占める割合は約30%に及ぶ(内閣府沖縄総合事務局,2019).しかし,サトウキビ収量は長期的にみて漸減傾向にあることが指摘されており(寺内,2013),過去41年間の沖縄県における平均収量(沖縄県,1980-2021)は,有意に低下している(p<0.001,図1).沖縄県のサトウキビ栽培は,一般にモノカルチャー(単作栽培)であり,サトウキビを新植後,3~4回ほど株出し栽培をおこない,これを繰り返す.サトウキビ栽培では,このようなモノカルチヤーが長期間おこなわれることで,土壌物理性の悪化や土壌有機物量の減少,微生物バイオマス量の低下などの土壌劣化を招き,収量が低下する可能性が指摘されている(Henry and Ellis,1995; Meyer, 1995; Holt and Meyer, 1998; Schumann et al., 2000).

    愛知県露地野菜畑土壌におけるリンの蓄積形態とその可給性

    安藤 薫中村嘉孝山口紀子糟谷真宏...
    4页
    查看更多>>摘要:愛知県の露地野菜畑では,リンが土壌に過剰蓄積している(牧田ら,2013).リンの過剰蓄積によって,降雨時の土壌の表面流去に伴う河川へのリン負荷量の増大(糟谷ら,2010),タマネギの腐敗球(相馬 . 岩渕,1982)やアブラナ科作物の根こぶ病(村上ら,2004)の助長などが報告されている.加えて,リン肥料価格は2008年以降から世界的に高騰しており,2021年以降も高止まりする可能性が指摘されている(John and Chian, 2021).持続的な農業生産には,土壌に過剰蓄積したリンを有効利用しつつ,過不足のないリン施肥体系を確立することがますます重要になってきている.

    土壌断面調査の実際2. 土壌断面調査を行う前に

    高田裕介
    5页
    查看更多>>摘要:土壌断面調査(以下,土壌調査と略)に慣れている方は,傾斜地で数十m離れた場所の土壌断面形態は全く異なるということを調査経験の中でよくご存じのことだろう.傾斜地に限らず,水田地帯においても隣り合う圃場ですら,水稲単作か否かで土壌断面形態はかなり違ったものとなることも明らかになってきた(神田ら,2022;伊勢ら,2022). 土壌調査は,現地で土壌断面形態を観察し,土壌分類名にあたりをつけておき,分析値からその分類名を確定するという流れである.しばしば所属先の同僚から,ビニール袋に入れられた土を示され,論文として公表したいからこの土の土壌分類名を教えてほしいと言われることがあり,返答に窮してしまう.ビニール袋の中の土塊と土壌図を交互に眺めてもなかなか答えが出ないのは上記のためである.本稿をお読みになられた貴方も,土壌調査の専門家を当てにせず,土壌調査にトライしてみませんか?

    放射性セシウム研究の進展と土壌肥料学の貢献はじめに

    齋藤 隆山ロ紀子
    3页
    查看更多>>摘要:東京電力福島第一原子力発電所(以下東電福島原発)事故から11年が経過した.チョルノービリ原発事故から25 年後に発生した東電福島原発事故では,多くの先行研究成果の活用が可能であった.しかし,水田での水稲栽培,ダイズ . ソバの栽培,日本とソ連(当時) . ヨーロッパ諸国の農業 . 畜産体系,土壌,気象条件,生態系バランスなどの違いなどにより,既存の知見だけでは解決できない事象が数多く存在することも浮き彫りになった.事故後5年までの調査と対策についてはYamaguchi et al. (2016)も参照されたい.11年にわたる研究で,放射性セシウム動態の日本における特徴が明らかになっていった.さらにイメージングプレートオートラジオグラフイー(IP)による作物 . 土壌表面の放射性物質二次元分布の分析,誘導プラズマ質量分析法(ICPMS)による元素分析の高精度化など分析機器の発展にも後押しされ,新たな視点で放射性セシウム動態の解明がすすんだといえる.農作物への放射性セシウムの移行低減に向けた土壌肥料学分野の研究成果の貢献は非常に大きい.本講座では,東電福島原発事故の影響調査,対策技術の開発に精力的にかかわってきた研究者を執筆者にむかえ,11年間の調査研究の進展と今後の展望について議論する.

    放射性セシウム研究の進展と土壌肥料学の貢献1. 土壌中の放射性セシウム動態研究の進展

    中尾 淳山口紀子
    6页
    查看更多>>摘要:放射性セシウムは,土壌中で常識外れの行動をおこす陽イオンである.なぜ常識外れかを追求していくと,自ずと土壌中の粘土鉱物の構造と陽イオンの吸着反応の特徴が理解できていく.放射性セシウムが常識外れの挙動をする原因には3つある.1つ目は,セシウムイオンが水和しにくい性質を持つイオンであること,2つ目は,水和水を持たないセシウムイオンが2:1型層状ケイ酸塩鉱物(2:1型鉱物)の層間の六員環にぴったりとはまるサイズであること,3つ目は放射性セシウムがほんのわずかにしか土壌中に存在しないことである.(注:放射能をあらわすべクレル(Bq)単位は,1つの原子が1秒間に平均何回放射壊変するかをあらわす単位である.100 Bqの~(134)Cs, ~(137)Csは,それぞれセシウム原子として2.1pg, 31 pgに相当する.)放射性セシウムはこの3つの特徴を持つために,一度土壌に入り込むと土壌粒子に固定され,ほとんど水に分配されなくなる.土壌から交換性陽イオンを抽出する際,高濃度の塩溶液として添加した大量の陽イオンとの競合を利用して,土壌中の負電荷から脱離させて溶液に抽出する.放射性セシウムは環境中に存在する段階で,すでに抽出液中に存在するような状態に置かれているため,腐植物質の負電荷のような一般的な陽イオン交換サイトにはほとんど吸着できない.有機物含量が多く,本来陽イオンをたくさん吸着する能力を持つはずの土壌にほとんど吸着されないこと も,放射性セシウムの常識外れな挙動の例である.本稿では,土壌中における放射性セシウムの動態について,特に東京電力福島第一原子力発電所事故(以下福島原発事後)後の研究の進展や日本の土壌中における挙動の特徴を中心に解説する.

    地域の動き

    小山博之切岩祥和
    1页
    查看更多>>摘要:2021年度も,コロナウイルス感染症の影響を強く受ける一年となった.土壌肥料学会中部支部では,評議員会にリモート会議方式を取り入れるなど,時代に即した運営方式の変更が進む一方で,対面で行うことの価値 . 重要性を認識することもあった.ここでは,2020-21年度支部長(岐阜大学 . 応用生物科学部 . 小山博之)と,2022-23年度支部長(静岡大学 . 農学部 . 切岩祥和)が,最近の支部の出来事について紹介する.