查看更多>>摘要:令和3年度における国内でのニホンナシの生産状況 は,結果樹面積が1万300 ha,収穫量が18万4,7001で, 千葉県,茨城県(以下,本県),栃木県,長野県,福島 県が主産県となっている(農林水産省大臣官房統計部, 2022)。ニホンナシは,果皮の色から黄褐色の赤ナシ系と,淡黄緑色の青ナシ系に分けられ,赤ナシ系の品種としては ‘幸水’,‘豊水’,‘新高’,‘長十郎’等があり,青ナシ系の 品種は‘二十世紀’,‘菊水’等がある。本県で現在栽培さ れている主要な品種は,赤ナシ系の‘幸水’,‘豊水’で, 果実に袋かけを行わなしゝ無袋栽培が主流である。赤ナシ 無袋栽培の果実には黒星病,輪紋病,赤星病等の病害が 発生し問題となる。青ナシ系の果実病害も同様である が,黒斑病は青ナシ系のみに発生する病害である。また, 葉に発生し,落葉などにより果実品質や樹体生育に影響 を与える炭疽病やうどんこ病,新しく伸長した枝,葉 柄,幼果等が枯死する疫病,枝幹部が枯れ込む胴枯病や枝枯病,根に発生し,樹体を衰弱させる白紋羽病等,多 くの病害が発生する。ここでは,本県のナシ栽培で防除 対象となっている主要な4病害について,その生態と防 除対策について解説する。