首页期刊导航|山階鳥類学雑誌
期刊信息/Journal information
山階鳥類学雑誌
山階鳥類硏究所
山階鳥類学雑誌

山階鳥類硏究所

半年刊

1348-5032

山階鳥類学雑誌/Journal 山階鳥類学雑誌
正式出版
收录年代

    ホトトギスLesser Cuckoo Cuculuspoliocephalusの雌雄の行動圏ど社会関係

    内田 博西海 功上田恵介
    109-118页
    查看更多>>摘要:広い行動圏を持つカツコウ類は,直接観察による利用地域の特定や個体の行動などの社会性に関わる情報の解明が難しい。そのため,その生態や行動には解明されていない部分が多く残っている。とくに森林に生息するホトトギスCuculus poliocephalusでは,隠蔽性が強く,その行動を観察するのが難しい。そこで森林性のホトトギスを対象として,ラジオテレメトリー法を用いて調査を行い,主に行動圏と社会行動における特徴を明らかにして,その社会性について考察した。雄の行動範囲は平均238±74SDha(範囲138-311 ha,n=5)ど広く,繁殖場所と採食場所の分離は見られなかった。また,雄の2羽では行動圏は,ほとんどの部分で重複し,他の雄の行動圏は一部で重複していた。さらに,行動圏内での争いは少なく,明確ななわばりを持たないのではないかと考えられた。一方,雌の行動範囲は平均188±216SDha(範囲37-436 ha,n=3)と個体差が大きかったが,狭い行動圏を持っていた個体では,執拗な追尾行動の争いも多くみられたことから,なわばりに近い空間分布様式をもつ可能性が考えられた。

    森林性鳥類の捕食による食葉性幼虫類の食害量の制御

    由井正敏鈴木祥悟葉山雅広
    119-156页
    查看更多>>摘要:生物多様性が生態系の安定性や生産性に寄与することは草地,森林植生,沿岸域なとの実験や調査で報告されている。しかし,森林昆虫の捕食者である鳥類の役割に関するこうした観点からの長期研究はこれまで行われて来なかった。そのため,岩手県内の3カ所の森林で繁殖鳥類密度と食葉性昆虫幼虫類排フン量を巣箱架設の有無ごとに10-20年間調査した。本報告はその第一報として,鳥類による幼虫排フン量の制御実態を示す。5-7月に排出される幼虫類排フン量は,鳥類の捕食によって平均70%減少していると推定された。カラマツ林の幼虫類排フン量の変動係数(CV)は,巣箱無しの林より巣箱架設林で有意に小さくなった。排フン量(実測フン量OFA)当たりの食虫性鳥類群集の合計捕食可能量(TPP)が高い森林ほど,排フン量の変動係数(CV)は減少した。回帰モデル式の結果を用いた分析では,食虫性鳥類群集のTPP当たりの捕食によるフン減少量は密度依存の機能的反応を示す。結論として,森林の食虫性鳥類は食葉性昆虫幼虫類の食害量やバイオマス総量の減少およびそれらの変動の安定化に,常時大きな役割を果たしていると考えられた。食虫性鳥類による幼虫類捕食効果を大きくするためには,人工林内外に広葉樹や樹洞木を導入することによって鳥類群集の密度と多様性を高める必要がある。

    Changes in the Number of Naturalized Rose-ringed Parakeet Psittacula krameri at the Roosting Sites in the Metropolitan Area of Tokyo and Kanagawa, Japan

    Sumiko NishidaKousuke WatanabeWataru KitamuraMasafumi Yoshida...
    157-166页
    查看更多>>摘要:The Rose-ringed Parakeet Psittacula krameri has expanded its distribution worldwide. Wild populations have been observed in the Japanese Archipelago since the late 1960s, and there are concerns about their potential impacts on ecosystems and conflicts with humans. However, their behavior and habits in urban environments are still not well understood. We counted the number of individuals at four known roosting sites from July 2015 to January 2016. The numbers fluctuated greatly at all roosting sites. Human activities and seasonal changes in the environment likely caused these changes. The roosting site formed on Tilia maximowicziana was abandoned following leaf fall, whereas the use of Ginkgo biloba was continued after leaf fall. The population density increased as the roosting number of individuals increased because the physical size of the roost remained unchanged, which may result in problems with noise and bird feces to humans.

    衛星画像による水上の水禽類のカウント:はじめての試み

    酒井彩江荒井頼子松本潤慶綿貫 豊...
    167-179页
    查看更多>>摘要:湖のハクチョウ類·ガンカモ類や海上の海鳥の個体数の計数は,これまで岸からあるいは船や航空機からの目視により行われてきた(Tasker et al.1984;Pettex et al.2017;Web&Nehls 2019)。また,これらの移動や分布については,最近はバイオロギング手法でも調査されている(高橋·依田2010;Cameiro et al.2020)。目視による計数では個体数を正確に数えることができるが広範囲の調査には多くの資金と労力を要し,バイオロギングは広い分布域内の個体の移動を追跡するものであるが分布密度はわからない。ドローンを利用した野生動物の個体数調査も行われているが(Blight et al.2019;Dundas et al.2020;Marchowski 2021),対象地域が広大な湿地の中の湖であったり,大洋の真ん中であったり,やはり接近しづらい場合がある。

    玉川上水の鳥類: 小平地区での10年間の記録

    大出水幹男高槻成紀
    180-193页
    查看更多>>摘要:自然が乏しい都市環境における緑地は価値が高く,東京のような大都市においてはその傾向がー層大きい。大都市においては緑地面積が少ないことが多く,その樹林では樹木の種数やそこに生育する植物や生息する動物も貧弱になる(Kerr&Currie 1995;McKinney 2002;Hoekstra et al.2004;Alberti et al.2017)。そうした中で飛翔力のある鳥類は哺乳類などに比較すれば生息可能性が大きく,都市の生物多様性に貢献することが知られている(唐沢1978;Raji&Downs 2022;高槻2023)。

    北海道におけるオオムシクイPhylloscopus examinandusの繁殖分布調査

    齋藤武馬
    194-208页
    查看更多>>摘要:オオムシクイPhylloscopom examinandusは,分類学的に長らくメボソムシクイP.borealis(Blasius 1858)の一亜種P.b.examinandusとされてきたが,近年分類の再検討を行った研究によって,他個体群(亜種)とは遺伝的に大きくことなる独立した単系統群に属することが明かとなった(Saitoh et al.2010)。その結果,2011年に独立種とするという分類が提唱され(Alstrom et al.2011),現在は多くの国内外の鳥類目録においてもその分類が採用されている(日本鳥学会2012;Dickinson&Christidis 2014;Billerman et al.2022;Gill et al.2024)。同種の分類を行う上でその証拠となるタイプ標本の基産地は,越冬地であるインドネシアのバリ島で,繁殖地で繁殖個体を記載したものではない(Stresemann 1913)。

    戦前の上野動物園で飼育されたマゼランペンギン

    福田道雄
    209-221页
    查看更多>>摘要:マゼランペンギンSpheniscus magellanicusは主に南アメリカ大陸南部の太平洋岸と大西洋岸の両沿岸部に分布している(Borboroglu&Boersma2013など)。1936年発行の『Oceanic Birds of South America Vol.Ⅰ』(Murphy 1936)によれば,太平洋岸の生息地はパタゴニア沿岸から北にチリ中部のサンタ·マリア島Santo Maria Island,アラウコ湾Bay of Arauco,及びフアン·フェルナンデス諸島Juan Fernandez Islandsまでとされていた。大陸から離れたフアン·フェルナンデス諸島を別とすると,大陸の南緯37°付近が生息の北限であったと推測される。現在の北限の繁殖地は南緯33°のパハロス·ニーニョス島Pdjaro Nino Islandとされ(Simeone&Bernal 2000;Simeone et al.2003),Murphy(1936)記載の北限はそれより500 km近く南側となる。マゼランペンギンの特徴の一つは,南アメリカ大陸南端部の一部地域を除き,日本と同じ気候帯である温帯に生息することである。

    千葉県柏市で死体拾得された黒い下嘴を持つニシオジロビタキFicechda parvaについて

    今村知子齋藤武馬小田谷嘉弥齊藤安行...
    222-229页
    查看更多>>摘要:ニシオジロビタキFicedula parvaとオジロビタキF.albicillaは,以前は同種の別亜種と考えられていたが,生態および外部形態,鳴き声の違いやDNA分析の結果,近年ニシオジロビタキからオジロビタキが分割され,それぞれ独立種として扱われるようになった(Li&Zhang 2004;Sangster et al.2004;Svensson et al.2005;日本鳥学会2012;del Hoyo et al.2020;Taylor et al.2020)。両種の繁殖分布はウラル山脈を境に西と東に分かれており,ニシォジロビタキはウラル山脈の西側にあたるヨーロッパ中央·東部·南東部からウラル地方·カザフスタン北西部·トルコ北部·コーカサス地方·イラン北部(Taylor et al.2020),オジロビタキはウラル山脈の東側にあたるヨーロッパロシア東部からカムチャツカ,カザフスタン南部から最北東部,モンゴル北部,アムールランドに繁殖分布する(del Hoyo et al.2020)。越冬分布はニシオジロビタキがパキスタン,インド北部·西部·中部,アラビア北東部の一部(Taylor et al.2020),オジロビタキがネパール南部からインド北東部,バングラデシュおよび東南アジアと中国南東部である(del Hoyo et al.2020)。

    飼育下のハシボソガラス白化個体の長寿記録

    風間辰夫小島正文土田崇重
    230-235页
    查看更多>>摘要:新潟県では1986年から2017年にかけて,全身が白化したハシボソガラスCorvus coroneの幼鳥が10羽保護された。このうち8羽が保護された場所は,新潟県北蒲原郡聖籠町大字大夫興野にある0.2 haのァカマツPinus densifloraの私有林で,周囲は畑作地や果樹園が多い場所であった。これらはすべて1986年から1993年にかけて同一つがいから産まれたと推定された幼鳥(飛翔能力がほとんビない個体)で,巣から落下あるいは少し飛んで地上にいたのを保護された(黒田·風間1996)。その後1995年6月29日,新潟県白根巿(現新潟巿南区)浦梨の梨畑で1羽,2017年5月20日,新潟県新潟巿北区太田の宅地内で1羽が保護され,新潟県愛鳥センター(以下「愛鳥センター」と略す)へ搬送された。

    ヨタカ類に近縁な鳥類の新しい属と種の和名

    山崎剛史亀谷辰朗今村知子
    236-243页
    查看更多>>摘要:和名は日本語話者が鳥類に関する科学的なコミュニケーションを行う際に便利な道具である。筆者らは,これまでに提唱された鳥類の和名の体系のなかで最も影響力の大きい山階(1986)の体系について,内容のアップデートを進めてきた。これまでに目·科レベルの分類群の新和名を考案したほか(山崎·亀谷2019,2020),いくつかの目と科について,種和名の整理を行った(山崎ら2017;山崎·亀谷2022a,b,2023)。本稿では,かって広義のヨタカ目Caprimulgiformesとしてまとめられていたが,現在では単系統でないことなどから複数の目に分割されているヨタカ類,アブラヨタカ,タチヨタカ類,ガマグチヨタカ類,ズクヨタカ類について(Gill et al.2024),種和名の整備を行う。また,新たな試みとして,あわせて属和名の整備も実施する。