查看更多>>摘要:アジアにおける米と麦の緑の革命は科学と技術とイノベーションの興味深い例である。1930年代の稲塚権次郎氏による小麦農林10号の育成が発端となった。多数の試行錯誤を積み重ね,草丈の大きなTurkey Redと小さいFruit Daruma品種の交配により,半矮性の草型の農林10号が生まれた。このアイデアは,1960年代IRRI(国際稲研究所)によるIR8(ミラクルライス)の開発に応用された。農林10号技術が世界の食糧危機を救うイノベーションになったのは終戦後であった。N.Borlaug氏は占領軍の科学者より入手した農林10号を基に1957年までに多肥でも倒伏しない高収量品種(HYV)を育成した。並行して国際機関CIMMYT(国際小麦トウモロコシ改良センター)やIRRIが整備され,HYVのさらなる進化と普及により緑の革命が実現した。農林10号の半矮性の草型の科学は,70年後2002年名大の松岡信氏等によりジベレリン生合成を調節する遺伝子sd1が同定され,イネ科作物共通の科学的基盤が解明された。