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保存科学
东京文化财研究所
保存科学

东京文化财研究所

年刊

0287-0606

保存科学/Journal 保存科学
正式出版
收录年代

    海底遺跡から発掘された木製品、石製品等遺物(海揚り品)から発生する還元型硫黄ガス(硫化水素、硫化カルボニル)の調査

    木川 りか和泉田 絢子島田 潤渡辺 祐基...
    1-12,a1页
    查看更多>>摘要:海底遺跡から発掘された様々な材質の遺物(海揚り品)から放出される硫化水素(H_2S)や硫化カルボニル(COS)などの還元型硫黄ガスの量を調査した。その結果、多孔質材料の遺物から、有意なガスの放出が確認された。なかでも、硫化鉄に変化した太い鉄釘が複数打ち込まれている木製遺物からは顕著に高いガスの放出が確認された。

    紫外線照射および電子線照射した劣化絹における経年変化の挙動予測とその作業性

    早川 典子中村 恵里花佐藤 千晴岡 岩太郎...
    13-22页
    查看更多>>摘要:電子線照射を利用して劣化させた絹を絹本絵画の修復に用いる手法は、昭和40年代に開発され、昭和41〜49年度(42年度を除く)の8ヵ年にわたる群馬県指定文化財「十六羅漢図(長楽寺所蔵)」修理事業での使用を端緒に、国指定文化財においては、昭和45-47年の重要文化財「両界曼荼羅(敷曼荼羅)(教王護国寺所蔵)」、国宝作品としては昭和54-56年「伝源賴朝像・平重盛像・藤原光能像」において使用され、現在では多数の作品にて活用され、絹本文化財修復の基本的な選択肢として広く広まっている。昭和40年代にこのような開発がなされた経緯としては、文化財修復の件数が増加する中、従来は似たような組織の古絹を探して使用していたが、量的に間に合わなくなったことが挙げられるが、また、文化財修復という概念が公的に発展しつつある時代であり、文化財修復の行為の中で、古い資料の破壊につながるような作業を避けるようになつたことも背景にあつたと考えられる。

    湿熱処理による紙資料への影響

    小野寺 裕子貴田 啓子佐藤 嘉則
    23-31页
    查看更多>>摘要:近年は気候変動による気温上昇に伴い、台風や豪雨などの自然災害が激甚化・頻発化し、長期的に増加していく傾向にあり、文化財等が被災する潜在的なリスクは高まっている。強大な台風や豪雨により文化財等が水損した場合、短い時間でカビ被害が進行するため、緊急的な冷凍保管や乾燥処理が必要となる。特に紙資料については、これまでの災害などで大きな被害を受けており、有効な対策方法の検討が進められている。紙資料のカビ被害を防ぐための乾燥方法には、送風乾燥、真空凍結乾燥、エア・ストリーム乾燥法、スクウエルチ.ドライイング法などがある。しかし、これらいずれの方法でもすでに発生したカビを滅菌することはできないため、乾燥後にガス燻蒸処理によつて滅菌を行った後で、カビ払いなどのクリーニング作業が実施されている。近年、燻蒸ガスのひとつであるェキヒュームSが販売停止を迎えるなど、ガス燻蒸を取り巻く状況が大きく変化しており、カビ被害のある被災資料の殺菌処理方法についても解決すベき課題がある。

    電磁式膜厚計による紙厚測定の精度評価

    大和 あすか西田 典由趙依寧
    33-42页
    查看更多>>摘要:紙の厚み測定は、製紙工業や印刷業など、製品の品質管理が重視される工業製品分野だけでなく、文化財修復における本紙の基礎情報の把握や修理材料の選定、さらには歴史資料の材料科学的研究や文化史の解明においても必要不可欠な作業である。

    Scientific Analysis on Two Christian Lecterns in Portugal: A Wooden Substrate Investigation

    KOBAYASHI KojiNAKAMURA IchiroTORIGOE ToshiyukiNOSHIRO Shuichi...
    43-60,a2-a5页
    查看更多>>摘要:The present report shows a scientific analysis of two private Christian Lecterns in Portugal. We report on an optical investigation using visible light, infrared photography, and X-ray CT examination and wood identification conducted in January 2024 in Japan.Lectern (1)is a Japanese Nanban lacquer, possibly made in the 1630s, after the Christian ban. The center part of the backboard, where the IHS insignia of the Society of Jesus, one of the catholic orders is usually places, is thickly re-coated by urushi lacquer in a circular area covering the insignia with a pine-tree pattern after the original decoration. Lectern (2) is a Luso-Asian Nanban style lacquer possibly produced in Macau or Ryukyu islands, likely made from the late sixteenth to early seventeenth centuries. Chinese hanzi ink inscriptions can be recognized on both the front and back wooden substrate surfaces, because the surface decoration have fallen off broadly. Another researcher has pointed out earlier that the inscription includes two Chinese characters,"澳門 " meaning Macau. Those unique features presented the exclusive historical importance of these two lecterns, so the first author conducted the various kinds of research, aiming to record the detailed situation, elucidate the original pattern underneath the re-coated urushi lacquer on the center part, decipher the full-text of the Chinese sentences, and understand the substrate structure or making techniques.As a result, the authors confirmed the presence of the IHS insignia, which had been expected, underneath the urushi re-coating for Lectern (1)by X-ray CT examination, and the ink inscription was visualized much more clearly by infrared photography. Furthermore, we confirmed again that each of these lecterns was made from one wood board, and that a hashibami top horizontal bar was attached only on Lectern (1). By wood identification of the sample taken from a broken part, it became clear that the hashibami top horizontal bar of Lectern (1)uses Thujopsis dolabrata Siebold et Zucc, - and its wood substrate is possibly coniferous wood, both of which are to be Japanese woods. In contrast Lectern (2) utilizes dicotyledonous wood, though the lectern's production area is obscure. These wood differences between the two lecterns with different styles suggest that the probability of Lectern (1)being made in Japan and Lectern (2) produced overseas is much higher.This report is the first English-language publication, with a special focus on Nanban lecterns and Luso-Asian Nanban style lecterns, providing their X-ray CI images, along with visible and infrared photography and wood identification results. The authors believe that these data are highly effective in the conservation of cultural properties of the same kind, many of which are possessed in countries outside Japan. We also expect that this kind of investigation is necessary and that the investigation techniques would be generally considered useful among researchers, especially for important or rare objects research.

    近赤外線ハィパースペクトルカメラの性能評価と文化財彩色材料の識別検討

    紀芝蓮寺島 海犬塚 将英
    61-79页
    查看更多>>摘要:文化財の材質を非破壊・非接触的に分析する手法の中で、顔料や染料などの色材を特定する手法として反射分光分析の有用性が報告されている。近年、分光技術の進展により、2次元的な位置情報とスぺクトル情報を同時に取得可能なハイパースぺクトルカメラが開発され、この技術により、スキャンした平面領域全体からスペクトルデータを収集可能となる。また、非接触で迅速なスクリーニングが可能であるため、文化財調査においてもその有用性が注目されている。

    ヒメハキリバチによる文化財建造物への営巣事例

    島田 潤轟 丈瑠山田 紀代美佐藤 嘉則...
    81-89,a6页
    查看更多>>摘要:屋外にある文化財建造物は常に周辺の環境と接しているため、屋内の文化財よりも周辺からの影響を受けやすい。外から飛来する木材害虫は屋外にある建造物に容易にアクセスすることができ、特に木造の文化財建造物では木材害虫による被害のリスクに晒されている。木材に穿孔して穴をあける害虫としてはシバンムシ類やキクイムシ類に代表される甲虫類の他にハチ類も存在する。

    覆屋とは何か

    朽津 信明
    91-109页
    查看更多>>摘要:本誌50号において日本における覆屋の歴史について論じた際に、「屋外で機能するものに対して、それが機能する土地において、その保護を主たる目的として外側に設けられた付加物」を覆屋と定義して議論を展開した(以下、前稿とする)。これに対して対象物が機能している土地で保護を試みるのではなく、資料保存を目的として構築された建物内に対象物を設置し て保存が図られる際には、その構築された建物を収蔵施設と認識して覆屋の概念とは異なる存在とした。文化財保存を考える際に、現地でその保存を図るのか、適切な保存環境の場所に持ち込んでから保存を図るのかという点は、その文化財の価値を有効に伝承するために極めて重要な論点となることをこれまで指摘してきているが、ある建物が覆屋なのか収蔵庫なのかという違いは、その文化財が現地保存されるのかどうかという点と密接に関係していることになる。そこで本研究では、覆屋の概念を改めて精査することを通じて文化財の現地保存の概念に関して再考し、文化財保存を試みる際に何をどのように守っていくかという考え方を整理することに寄与することを目的とする。

    日本における航空機の保存・活用等に関する諸制度

    千葉 毅
    111-136页
    查看更多>>摘要:ここまで、航空機をはじめとする近代交通動産文化財を対象に含む保護等の制度を見てきた。行政による保護制度としては、1996年の重要文化財指定基準改正によって「科学技術」を評価軸とした近代の文化財を重要文化財指定する枠組みが整備され、1997年以降に指定が進んだ。一方、地方公共団体ではこの改正を待たずとも、各地における重要性が評価され、近代の文化財が指定、保護されている事例が少なからず存在することも明らかとなった(図4)。とはいえ、全国的に見れば、近代の文化財に対する行政による保護は、近世以前の文化財に比較して十分に浸透しているとは言い難い。その中でも航空機については、戦争との関連もあってか、文化財としての保護が特に進んでいない分野の一つであることが改めて確認できた。

    HERIeを利用した山・鉾・屋台を保管する倉庫の温湿度環境評価について

    間渕 創河村 友佳子水谷 悦子
    137-147页
    查看更多>>摘要:普段は倉庫に保管されている山・鉾・屋台などが祭礼に使用され、急激な温湿度変化にさらされる状況における木製パネルの歪みについて、HERIeの温湿度環境による機械的損傷モジュールを用いて計算を行った。本手法により現状の保管倉庫の特性や、温湿度環境を変えたときの木製パネルの歪みへの影響について相対的な評価ができるものと考える。山・鉾・屋台等の保管環境を新たに構築する場合や、改修などを行う際の目安となる情報を提供できると考 えられる。