查看更多>>摘要:本稿により得られた成果を以下に整理する。本稿で得られたフラクタル次元の値を年代別に平均化し、その値を用いた画像相関値( 異なる形状のMONOPTEROS を除く)との比較を表4 にまとめる。Ⅰ.フラクタル次元の値について、神殿建築とストアともにB.C.150 にフラクタル次元の値が高い、A.D.100 にフラクタル次元の値が低い。Ⅱ.神殿建築について、B.C.300 とA.D.100 のフラクタル次元の値は非常に近い、画像相関値(B.C.300 -A.D.100)もほかの年代間(B.C.300-B.C.150, B.C.150 -A.D.100)の画像相関値のより高い傾向がみられる。Ⅲ.ストアについて、B.C.300 とA.D.100 のフラクタル次元の値は近い。画像相関値について、各年代間の画像相関値が全体的に高い傾向みられる。Ⅳ.神殿建築について、比較された両年代のフラクタル次元の値が近いほど、両年代の画像相関値が高くなる(表4)。フラクタル次元の値が小さいほど、両年代の画像相関値が高くなる。Ⅴ.STOA OF ZEUS 以外のストアについて、比較された両年代のフラクタル次元の値が大きいほど、両年代の画像相関値が高くなる(表4)。比較された両年代のフラクタル次元の値が差が大きいほど、両年代の画像相関値が高くなる。Ⅵ.神殿建築として使用されたSTOA OF ZEUS について、各年代の神殿建築との画像相関値が全体的に低い、各年代のストアとの画像相関値が神殿建築との画像相関値より比較的に高くなる。以上、古代ギリシャ都市アテネのアゴラにおける画像相関とフラクタル次元解析との関係性による建築様式の類似性に関する定量的評価について考察を行った。今後、神殿建築、ストアの広場との関係性から更なる分析を重ね、画像相関値とフラクタル次元の関係性についての知見を広げ、アゴラの空間秩序の形成と個々の建物の相互の関係性について考察する予定である.