自然界に生息する、難培養性微生物単離のためのマイクロアレイ電気培養法の開発を行った。アレイ培養では、炭素板に設けた穴を微小な培養器（セル）として使用し、イオン交換膜を隔てた白金電極との間に通電する事で個々のセルを独立的に電気培養槽とした。本装置による高濃度培養を確認するため、植菌する微生物の希釈倍率を変化させ、嫌気的環境下で2週間の通電培養を実施した。その結果、すべての濃度領域において非通電時の10倍超の濃度の微生物が得られた。環境由来の混合微生物を希釈植菌し、0.85Vの通電の下マイクロアレイ電気培養に供したところ、1か月の培養により18個所中13個所で微生物の増殖が確認された。原子間力顕微鏡による微生物観察の結果、3種類以上の微生物が混在していた初期状態に対し、アレイ電気培養後には、単一の微生物が増殖している様子が確認され、従来不可能だった難培養性微生物の有効利用の足掛かりができた。
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