燃料電池発電は高い発電効率に加え,優れた環境調和性を有し,さらに高品質な排熱が得られることから排熱利用を図ることによって分散型電源としての負荷価値を一層高めることができる。本検討は,排熱利用の有効性は適用地や排熱利用システム構成に大きく影響されることから,まず汎用性の高い排熱利用システムシミュレーションプログラムの開発を図った。本プログラムは,需要推計結果を受けてシステム内の熱需要給を決定する部分と排熱利用の経済性を算定する部分とから成り,種々のシステム構成に対応できる。本プログラムを用い,商業・住宅混在地区,都心ビル街,単独ビル街,住宅地域の4地域にリン酸型燃料電池発電の排熱を冷暖房用に適用した場合の効果を検討した。排熱利用システムは補助設備として使用する。熱源機器に応じて4通りの構成を想定した。排熱のうち蒸気および高温水はい