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日本水産学会誌
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0021-5392

日本水産学会誌/Journal 日本水産学会誌
正式出版
收录年代

    苦境を乗り越えて強くなる

    金子二
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    查看更多>>摘要:日本で新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた 2020年は,日本水産学会創立88周年に当たる年でし た。人間で言えば米寿を迎えたところです。この節目の 年の春季大会は私が大会委員長を仰せつかりましたが, 残念ながら新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開催 が取り止めとなってしまいました。その年の2月初めの時点で大会の中止はまったく想定していませんでした が,ちょうどその頃にダイヤモンド,プリンセス号の乗 客が新型コロナウイルス感染症に罹患していることが判 明しました。その時は対岸の火事と侮っていましたが, 状況は日増しに悪化の一途を迎り,大会開催1ヶ月前 に当たる2月下旬に大会の中止を正式に決定しまし た。大会開催を強行するという選択肢もまだありました が,直前での中止決定は多くの会員に多大な迷惑をお掛 けすることになると考え,苦渋の決断を下しました。す でに要旨集の編集作業も進められており,東日本大震災 の際の前例に做って,要旨集を出版することで大会を開 催したことと見做す,いわゆる「みなし開催」とした次 第です。

    微生物の力でサメ肉の臭気を取り除く

    石崎松一郎久田孝
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    查看更多>>摘要:宮城県気仙沼市は,日本国内で有数の水産物の水揚げ 地として知られており,特にカツオ,メカジキおよびサ メの水揚げは日本一を誇る。中でもサメへの思い入れは 強く,サメを地域性,独自性を象徴する魚として捉え, 市を挙げて「サメの水揚げ日本一の街」,「フカヒレ生産 日本一の街」,「サメの街気仙沼」といったPRを全国に 発信している。日本で唯一のサメの博物館である 「シャークミュージアム」はその象徴と言えるかもしれ ない。気仙沼市で水揚げされるサメ類の大半は,ヨシキリザ メ(英名 Blue shark,学名 Prionace glauca)およびネズミザメ(市場名モウカザメ,英名Salmon shark,学 名Lamna ditropis)の2種である。その割合はおおよ そヨシキリザメが55%,ネズミザメが37%,その他の 種が8%程度占めている。2011年3月11日(金)14 時46分18秒に発生した東北地方太平洋沖地震による 東日本大震災は我々に大きな衝撃を与え,特に福島県, 宮城県および岩手県における甚大な被害は忘れることの できない記憶として今でも多くの人の心に刻まれてい る。この大震災は当然,現地水産業にも大きな影響を与 えた。気仙沼市の水産業も壊滅的な被害を受け,震災前 に12,000トン以上あったサメ類の水揚げ量は,震災後 2,000トン程度まで激減した(図1)(宮城県内産地魚市 場水揚概要:https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sui-shin/mizuage.html, 2022 年3 月 27 日)。2021年現在, サメ類の水揚げ量は9,000トンであり,震災前の8割程 度まで回復しているものの,震災以前の活気を取り戻し ているとは言えず,その消費は伸び悩んでいるのが現状である。水揚げされるサメ類の市場価値は主としてフカヒレに よって決められ,肉,皮および骨の価値はフカヒレの 1/10程度と低い。近年,骨や皮は健康食品への積極的 利用が進んだことで価格が上昇しつつあるが,サメ肉は 練り物の補助素材以外で市場に並ぶことはほとんどな い。その原因はアンモニア臭をはじめとする臭気成分に よる食味,食感の低下によるところが大きい。サメ漁獲 量のほぼ2/3はマグロ延縄漁業での混獲であり,その 他は流し網漁船等により漁獲されるが,操業日数に延縄 漁で15-45日,流し網漁で5-15日程度要するため, 漁獲後から水揚げまでの間に鮮度が低下し,サメ独特の アンモニア臭およ,びトリメチルアミンが発生する。ま た,水揚げしたサメ肉の品質も操業初期と後期のもので 異なりばらつきも大きい。

    麻痺性貝毒簡易検査キットの開発と普及

    及川寛柴原裕亮山本圭吾
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    查看更多>>摘要:二枚貝生産海域での貝毒リスク管理は,マウス毒性試 験を公定法とした検査を中心に1970年台後半にかけて 整備され安全性が確保されてきた。その後,2015年に 農林水産省消費,安全局から「生産海域における貝毒の 監視及び管理措置について」が通知され,》同時にその 内容を補完するものとして「二枚貝等の貝毒のリスク管 理に関するガイドライン(以下ガイドライン)」が制定 された。2)これにより安全性はもとより,これまで蓄積 してきた貝毒に関する科学的知見を生かし,効果的かつ 合理的なリスク管理を目指すものとなった。新たなリス ク管理措置の元では,検査法として公定法と同等の性能 を有している方法が使用可能となったほか,貝毒の検査 の迅速化及び効率化を図るためにスクリ 一二ング法を使 用することが可能となった。また,ガイドラインでは, スクリーニング法を使用する場合に規制値より確実に低 いと判定できるレベル(スクリーニングレベル)を設定 し,このレベルを超えると判定された場合は,必要に応 じて公定法等で確認するとされている。また,スクリー ニングレベルの設定について,厚生労働省より示された 「食品中の放射性セシウムスクリーニング法」(平成24年3月1日厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全 課事務連絡)において示された方法を参考にできるとし ている。貝毒のスクリーニングに置き換えて考えると, 簡易検査キッ卜で安全と判定したものが規制値(麻痺性 貝毒の場合は4 MU/g)を超えて違反となること(偽陰 性)がないようにスクリーニングレベルを設定すること が求められる。

    地域間で異なるサクラマス沿岸漁獲量の経年変化

    佐藤正人佐藤俊昭長谷川功
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    查看更多>>摘要:サケ,マスの資源維持や増殖は,これまでふ化放流事 業を主体として進められてきた。例えば,サケOn-corhynchus ketaでは,1960年代から1980年代にかけ て放流数増加にほぼ同調するように沿岸漁獲や河川捕獲 が急増したことから,ふ化放流事業の効果は絶大とされ てきた。しかし,近年では放流数はほぼ一定ながら, 日本へのサケ回帰資源は減少傾向にある。さらに,サケ,マスでは,数十年スパンの短期的な資源増殖にはふ 化放流事業が効果を発揮する場合もあるが,それよりも 長いスパンで資源の永続利用を図るには,気候変動など により変化を続ける自然環境の中,自然選択にさらされ ながら再生産を続ける野生魚の活用が重要とされる。

    ベニズワイガニ日本海系群の資源評価

    田中栄次
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    查看更多>>摘要:ベニズワイガニ日本海系群(以下,ベニズワイガニと いう)は重要な底魚資源の1つで,漁獲のほとんどが かご漁業による。1)日本のかご漁業は山陰沖や大和堆, 新隠岐堆で行われる大臣許可漁業と,青森県から兵庫県 の各県地先で行われる知事許可漁業があり,この他韓国 船によっても漁獲されている。ベニズワイガ二では農林 水産省令により雌ガニの採捕と甲幅90 mm以下の雄ガ ニの採捕を禁止するなどの資源保護の措置がとられてい るが,日本漁船によるべニズワイガニの漁獲量はビーク 時の1984年の53,530トンから減少傾向に転じ,2018 年には11,887トンに減少した(Fig.I)。1)こうした利 用状況にある本資源に関し水産庁は2020年に発表した 資源管理のロー ドマップ(https://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin / attach / pdf / index-63 .pdf, 2021年11月15 曰) の中でも新たなTAC (Total Allowable Catch)制度の 対象資源として取り上げている。

    周防灘に生息するマコガレイの夏季から冬季にかけての 経験水温,深度および離底行動の観測

    山本宗一郎三田村啓理黒川皓平
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    查看更多>>摘要:マコガレイは北海道南部から大分県に分布する底生魚 類であり,水深100m以浅の砂泥質に生息している。マコガレイは国内において小型底びき網や刺し網漁業で 漁獲される重要魚種であるが,本種の漁獲量,資源量は全国的に減少しており,資源の回復が望まれている。マコガレイ資源の減少は高水温が一因であると考えられ ているため,5〕本種の生息水温の把握は今後の資源動向 を予測する上で重要となる。

    日本海南西海域産アカムツの資源特性値の把握と資源量推定

    金元保之八木佑太田中空太
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    查看更多>>摘要:アカムツDoederleinia berycoidesは北海道以南の日本 近海,主に日本海南西海域を中心に生息する暖海性魚類 である。1,2)令和2年度アカムツ日本海系群の資源評価 によると,山口県および島根県のアカムツ漁獲量を合 わせると日本海全体の約8割を占めており,そのう ち,日本海南西海域で操業する沖合底びき網漁業2そ うびき(以下,沖底)による漁獲が多く,近年は特に小 型魚の漁獲量が増加し,成長乱獲が懸念されている。ま た,小型魚の魚価は成魚に比べて極めて安いことか ら,潜在的な収益損失に繋がる可能性が高い。そこ で,小型魚の保護を目的に島根県浜田漁港(以下,浜田 漁港)所属の沖底では2015年漁期から全船団による機 動的禁漁区を導入した資源管理が行われてきた。ま た,山口県下関漁港(以下,下関漁港)所属の沖底では 瀘邊ほか7>を参考とした改良漁具を導入し,さらに,対 馬沖の保護区において一定期間操業の自粛を行ってい る。しかし,2011年から急増した本海域のアカムツ漁 獲量は2016年以降減少傾向にあり,これまでの管理 方策の効果検証が重要となっている。そのため,年齢組 成や産卵期などの資源特性値の把握とそれら情報を用い た資源量推定による資源状態の現状把握が不可欠である。水産資源研究の現場において漁獲物の年齢組成(年齢 別漁獲尾数)を推定する手法として,年齢査定を基にし た年齢体長キー(age-length key, ALK)を用いる事例 が多い。しかし,本海域でアカムツのALKを作成 した事例はみられない。また,アカムツの年齢形質とし て,鱗や耳石の表面に現れる輪紋を用いた事例はあるも のの,年齢査定にそれら形質を用いた場合,多くの 魚種で年齡を過小推定することが知られているため,耳 石横断薄層切片に現れる輪紋を観察することが望まれて いる。そこで,本研究では本海域に生息するアカムツ の資源特性値の把握および耳石横断薄層切片を用いた年 齢査定によるALKの作成を主な目的の一つとした。

    甲幅組成から推定された富山湾におけるベニズワイガニ雄の成長

    内山勇前田経雄
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    查看更多>>摘要:ベニズワイガニ Chionoecetes japonicusは,日本海, オホーツク海および铫子以北の太平洋に分布し,日本 海では水深500-2700 mの深海に生息している。本種 は日本海における重要な漁業資源の1つで,主にかに かご漁業により甲幅90 mmを超える雄のみが漁獲対象 となっている。1978年以降における,日本海の我が国 排他的経済水域での漁獲量は,1984年に最大の44,123 トンに達したが,その後は長期的に減少傾向にあり, 2019年には最も少ない10,983トン(暫定値)となって いる。このため,水産庁は,2005-2011年度に本種の 資源回復計画により,資源の悪化が懸念されている日本 海の大臣許可水域および兵庫県の知事許可水域を対象と して,休漁期間の延長や改良漁具の導入などの措置を講 じ,2007年漁期からは鳥取県境港に水揚げする全船を 対象に個別割当制が導入されるなど,資源管理の取組み が継続的に実施されている。また,2018年12月14日 に「漁業法等の一部を改正する等の法律」が公布された ことに伴い,水産庁は2020年に発表した資源管理の ロ 一 ドマップ(https:IIwww.jfa.mafF.go.jp/j / suisin/attach / pdf / index-63.pdf, 2022 年3 月12 日)におい て,新たなTotal Allowable Catch (TAC)制度の対象 資源として,本種の日本海系群を取り上げている。今 後,本種について,これまで以上に精度の高い資源評価 を行い,資源管理をより効果的に推進するためは,漁獲 対象となっている雄について,年齢や成長といった生物 学的特性を明らかにする必要がある。

    サザエTurbo sazae地域集団間の遺伝的及び形態的分化

    柳本卓張成年酒井猛
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    查看更多>>摘要:サザエTurbo sazae Fukuda, 2017は我が国の沿岸岩樵 域における最も重要な水産資源のひとつである。本種の 学名は長らく Turbo cornatus Lightfoot, 1786が用いられ てきたが,近年の研究でT. cornatusの原記載は中国沿 岸に分布する近縁種ナンカイサザエに相当するとされ, サザエには新たな学名T. sazaeが与えられた。日本に おける本種の分布は,日本海沿岸では北海道南部から九 州,太平洋沿岸では千葉県から奄美大島とされている が,薩南諸島以南では非常に少ない。安定したサザエ 資源の維持とその利用のため,禁漁区や漁期の設定,種 苗放流が行われている。栽培漁業,海面養殖用種苗の生産,入手,放流実績4-7)によると(電子付録Table S1), 1977年から2016年までほぼ毎年にわたって三重県産 の天然貝が福井県に放流されていたことを筆頭に,遠隔 地間の移殖放流が盛んに行われてきたことがわかる。さ らに岡部8>及び岡部,藤田によって安定的かつ大規模 なサザエの人工種苗生産を可能とする技術が確立されて 以降は人工種苗の放流も盛んになる。水生動物の放流に は様々な問題が提起されているが,外来種,国内外来種 を問わず,そのほとんどは淡水性の種である。しか し,近年では遺伝的,形態的特徴が異なる種々の海産外 来魚介類の導入,逃避,繁殖の事例によって地域個体群への影響が懸念されるようになってきた。

    対数正規分布を用いた資源動態シミュレ一 ションにおけるバイアス補正について

    平松一彦
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    查看更多>>摘要:水産資源の適切な管理のために,加入尾数の変動を考 慮した資源動態のシミュレーションが実施されることが 多くなっている。1’2)最近では改正漁業法の下で,加入尾 数の確率変動を考慮した最大持続生産量(MSY)の推 定ゃ将来予測が行われている[再生産関係の推定,管理 基準値計算,将来予測シミユレーションに関する技術ノー 卜(令和3年度).https://www.fra.affrc.go.jp/sliigen_ hyoka/SCmeeting/2019-l/FRA-SA2021-ABCWG01-02. pdf, 2022年3月11日]。この時,加入尾数の変動とし て対数正規分布が仮定されることが多い。対数正規分 布に従う確率変数Fは,平均パ,分散<72である正規分 布に従う確率変数eを用いてr= exp⑷で表すことが できる。この時,Yの平均値E[F]はexpb + trVZ)と なり,exp(>2/2)のずれ(以下ではバイアスという)が 生じる。