查看更多>>摘要:鉄鋼材料の加工熱処理においてオーステナイト(γ)相での再結晶の制御は重要である。合金元素添加による再結晶を遅らせる機構の1 つとして未再結晶/再結晶界面の移動の抑制があり、因子として溶質原子の偏析によるsolute drag 効果や析出物によるピン止め効果が提唱されている。高炭素鋼において、加工·保持温度が低めの場合にはV 添加によって再結晶が著しく抑制される現象が報告され、炭素量を減らした場合にはこの効果が現れないことから、VC 系析出物の寄与が推測された1)。前回の報告で、0。56C-0。1 mass%V を含む鋼の再結晶抑制初期において再結晶界面の三次元アトムプローブ(3DAP)観察の結果、特に再結晶界面の通り過ぎた領域でV 固溶濃度が低下している様子が観察されたため、未再結晶粒で生成したV(C,N)析出物が再結晶界面に接触した際に大きく成長して界面のピン止めに寄与するモデルを提案した2)。このモデルの検証のため、γ相での未再結晶粒内と再結晶粒内のV の固溶、析出状態の詳細観察を行い、再結晶抑制機構を再度議論した。