首页|飛騍地域の水稲「コシヒカリ」における湿潤土湛水培養による 窒素無機化量を考慮した適正な施肥窒素量の算出方法

飛騍地域の水稲「コシヒカリ」における湿潤土湛水培養による 窒素無機化量を考慮した適正な施肥窒素量の算出方法

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岐阜県飛騍地域の水稲主要品種「コシヒカリ」の良好な品質や食味と安定生産の両立に向けて,湿潤土湛水培養 による窒素無機化量を加味した適正な施肥窒素量の算出方法を構築した.適正な施肥窒素量を算出するための指 標には窒素吸収量を用い,玄米収量および玄米タンパク質含量との関係から,飛驊地域の「コシヒカリJの成熟期 における理想的な窒素吸収量を80-85kgha一1と設定した.水田作土からの窒素供給量(作土 N)の指標には湿潤 土 30°C10週間湛水培養による窒素無機化量(湿10w)を用いた.これにより求めた作土 Nを基肥によ.る施肥窒素 量(基肥N)に加えた窒素供給量と幼穂形成期(幼形期)における窒素吸収量との間には一定の関係性が見られ,幼 形期の窒素吸収量に応じて適正な窒素供給暈が推定可能であった.さらに重回帰分析により合理的な推定式を作成 し,幼形期における窒素吸収量と湿10wに応じた適正な基肥Nの推定式を構築した.一方,幼形期以降の窒素吸 収量は穂肥による施肥窒素量(穂肥N)の影響が強く,穂肥Nと幼形期以降の窒素吸収量との関係を基に,幼形期 以降に必要な窒素吸収量から適正な穂肥Nを推定する手法を構築した.過剰な窒素施肥による倒伏の危険性を考 慮し,窒素吸収量は幼形期までに50 kgha一1,幼形期以降に30-SSkgha—1とすることが適当と考えられた.

水稲湿潤土湛水培養窒素無機化量施肥窒素量窒素吸収量moist soil incubation under submerged conditionsnitrogen fertilizernitrogen mineralizationnitrogen uptakerice

和田巽、可児友哉、棚橋寿彦

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岐阜県農業技術センター(501-1152岐阜市又丸729-1)

岐阜県中山間農業研究所(509-4244飛,弾市古川町是重2-6-56)

2024

日本土壤肥料学雑誌

日本土壤肥料学雑誌

ISSN:0029-0610
年,卷(期):2024.95(6)